昨日は、血圧に関する遺伝的傾向と統合失調症のリスク上昇についてお伝えしました。
高血圧治療薬にも、様々な種類があり、それぞれ気分に対する影響も異なります。
今回は、かなり以前(2016)の論文になりますが、様々な高血圧治療薬に関して気分障害に対する影響を調べた研究をご紹介します。
高血圧治療薬の単剤使用と気分障害による入院のリスク
40~80歳の高血圧治療薬による治療(影響が分かりやすいように1種類に限る)を90日以上行った約14万人が分析の対象となりました。
結果として以下の内容が示されました。
①βブロッカーとカルシウム拮抗薬という種類の高血圧治療薬の影響が大きく、気分障害による入院の危険性を増加させていました(ハザード比:βブロッカー2.11 カルシウム拮抗薬2.28)。
②ACE阻害薬とアンジオテンシン受容体ブロッカーという種類の高血圧治療薬の影響は少なく、気分障害による入院について低リスクとなっていました。
つまり、高血圧治療薬の気分に対する影響は種類によって異なり、βブロッカーとカルシウム治療薬についてついては、入院を要するような気分障害のリスクを上げる可能性がある、という結果でした。
既往や家族歴を考慮し、気分障害のリスクが高い場合には使用する高血圧治療薬の種類にも検討が必要であると思われました。
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