高齢者においてもうつ以外の目的(不眠や痛み等)で、抗うつ薬が使用されることがあります。
今回は、比較的ガイドラインが保守的と言われるイギリスや容認の傾向があるアメリカ等を含んで、抗うつ薬の高齢者における使用状況に関して調べた研究をご紹介します。
Multinational comparison of new antidepressant use in older adults: a cohort study
高齢者における抗うつ薬使用の多国間比較
4か国(イギリス、台湾、アメリカ、カナダ)の医療記録を元にした研究で、65歳以上の高齢者が対象となりました。
新しく処方された抗うつ薬について、処方の認められる割合や目的などについて調べています。
結果として、以下の内容が示されました。
・抗うつ薬の処方割合は、カナダ4.7%から台湾18.6%と各国で異なっていました。
・抗うつ薬の種類としてはイギリスでは三環系抗うつ薬が多く(48.8%)、アメリカではSSRIが多くなっていました(42.3-53.3%)。
・処方目的で一番多いのは慢性疼痛となっていました(41.2-68.2%)。
要約:『高齢者における抗うつ薬の使用状況は国によってもことなり、使用目的としては慢性疼痛が多くなっている』
比較的古くから用いられている三環系抗うつ薬については、便秘等の抗コリン作用による副作用が強く、高齢者では特に注意が必要であると考えられました。
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