高齢者の慢性疼痛に対するオピオイド(麻薬性鎮痛薬)使用について


通常、「麻薬性鎮痛薬」を意味する“オピオイド”ですが、癌などによる激しい痛みに対して多く使用されます。


傾眠や便秘等の副作用が強く、できるだけ使用を控えますが、“痛み”による生活への支障が大きい時には必要以上に使用を躊躇すると患者さんの利益を損なうことになるので、痛みがとれるように十分量使用することも重要です。


今回は高齢者の癌以外の疼痛に対する使用に関して効果を調べた研究(複数の研究を系統的に調べたシステマティック・レビュー)をご紹介します。


A systematic review of the evidence for the efficacy of opioids for chronic non-cancer pain in community-dwelling older adults

高齢者の非がん性慢性疼痛に対するオピオイド使用の効果


臨床試験などの証拠が少ない領域ですが、高齢者の非がん性慢性疼痛に対するオピオイドの効果を調べた論文の7本がレビューの対象となりました。


系統的にレビューを行った結果、以下の内容が示されていました。

①殆どの高齢者はオピオイドを使用していても疼痛が継続していた。

②日常生活の活動性や社会参加という点に関して、オピオイドの効果は明らかではなかった。

③ナーシングホームでは疼痛が著しいとき、痛みが活動性に影響を与えているとき、うつの診断があるときに、オピオイドの使用が行われていることが多かった。

④高齢者への身体的副作用を怖れて使用が控えられる傾向があった。


つまり、オピオイドのがん以外の疼痛に対する使用の効果は、(現存する証拠の範囲では)非常に明らかとは言えないようです。


しかし、痛みに対してその他の有効な手段がないことも多く、やむを得ない場合には副作用に関する説明を丁寧に行ってから使用し、過大な期待を持たないことが望ましいと思われました。


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