
以前から、魚類から摂取できる脂肪(EPAやDHA)による認知能力低下や不安を軽減させる作用が指摘されてきました。
今回は、EPAやDHAによるうつ病を改善させる効果について、そのしくみにまで迫った研究をご紹介します。
オメガ3多価不飽和脂肪酸はLOXとCYP450の産生を介して抗炎症作用を発揮する
海馬の前駆細胞に、EPAやDHAを加えて細胞増殖や細胞死の様子を観察しました。
結果として、EPAやDHA(代謝産物を含む)が存在する場合には細胞増殖の減少が抑制され、細胞死も少なくなっていました。
そして、これらの減少は、LOXやCYPと言われる酵素の存在によって仲介されていることが分かりました。
つまり、“EPAやDHAがあると、細胞の減少が少なくなることが実験室でも確認できて、これがEPAやDHAが細胞を保護するしくみである”と示されました。
さらに、その後EPA (3.0 g/day)やDHA (1.4 g/day)の服用していた場合には、3ヶ月後のうつ症状が改善していることが示され、血漿中のLOXやCYPの存在が確かめられました。
今まで、指摘されてきたEPAやDHAの抗うつ効果をより客観的に証明し、介在する物質を明らかにした点で、大きく理解を進ませる研究であると思われました。
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