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鼻腔内インスリン投与は認知障害を改善するか?

執筆者の写真: もりさわメンタルクリニックもりさわメンタルクリニック

インスリンの鼻腔内投与によって、脳の認知機能改善を行うことができるかもしれないと指摘されています。


これまでの研究では良い結果も得られており、実用化の可能性もあると期待されていました。


今回は、このインスリン鼻腔内投与に関する多施設の二重盲検試験(投与する方も、される方も、使用しているのが実薬かしらない試験で、試験の信用性を高くするために必要な手続き)に関する論文をご紹介させてください。


軽度認知障害/アルツハイマー病の治療における鼻腔内インスリン投与の安全性・有効性・実現可能性


軽度認知障害かアルツハイマー病に罹患した289人(平均70.9歳、54.6%が男性)が調査の対象となり、12ヶ月の治療期間(追加の6ヶ月の経過観察期間)で試験が実施されました。


一般的に用いられる認知能力の指標“Alzheimer Disease Assessment Scale–cognitive subscale 12”を3ヶ月ごとに行い経過をみたところ、今回の試験ではインスリンの鼻腔内投与を行った場合と、そうでない場合とで明らかな差は認められませんでした。


しかし、今回主として使われた器具ではなく、別の器具を用いた以前の試験では、明らかな認知機能改善の効果を認めており、今後、以前と同じ器具を用いる等さらに研究の必要があるとされています。


まだ、効果について一定の見解は得られていませんが、今後の効果確認の結果が注目される治療法です。


#認知症


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