通常は特にアルツハイマー病等の診断がなくとも、年齢を重ねるに従い一定の認知能力低下は避けられないと考えられます。
今回は、オランダの100歳以上の方たちを対象として、認知機能の状態や認知機能の負担となる因子について調べた研究をご紹介します。
100歳以上の高齢者における認知機能の変化と死後病理所見、身体的検討、認知機能低下に関する危険因子
100歳の330人(239人が女性、平均100.5歳)が研究の対象となりました。
毎年、認知機能検査を行い、変化の観察を行いました。
結果として、数年の経過観察中(平均1.6年)、わずかな記憶障害を除いて認知機能の明らかな低下を認めず、認知機能の保持との関連因子として、身体的な健康(ADLの状態を示すバーセルインデックス等)がありました。
また、死後の病理所見では一定のアルツハイマー病に特徴的な所見を認めたものの、認知機能の低下とは関連していませんでした。
つまり、“100歳以上においても認知機能を保つのは可能で、認知症の原因があっても直接に認知機能に影響しない場合もある”と言えそうです。
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