top of page

“ストレス”について


今日は“ストレス”について少しだけ考えてみたいと思います。

良く「ストレス社会」とか、現代の生活は「ストレス」が多いなどの話をきくのですが、この場合の「ストレス」とは何を意味するのでしょう?

上記のような話と同時にきくのは「昔のほうがずっと大変だった(ストレスが多かった)」という主張です。自分で直接昔を体験したわけではないのですが、話をきいてみると確かにそうである気もします。

まず辞書的な意味から確認したいのですが、広辞苑では、

「種々の外部刺激が負担としてはたらくとき、心身に生じる機能変化。ストレスの原因となる要素(ストレッサー)は寒暑・騒音・化学物質など物理化学的なもの、精神緊張・不安・恐怖・興奮など社会的なものなど多様である。俗に、精神的緊張をいう」

とあります。

さらに医学大辞典(医学書院)では、

「ストレスとは、元来物理学や工学の分野で使われていた用語で、『外から力が加えられた時に物体に生じる歪み(不均衡)』を意味していた。これを医学や生理学の分野に導入したのは、カナダのセリエ(Selye H)で、1935年に発表している。当初は、外界から生体に加わる刺激をストレスとしていたようであるが、誤解を招くということから、生体に加わる刺激をストレッサーとして、また生じる反応をストレスとして区別した。現代ではストレスをストレッサーとストレス反応とに分けて考えるのが一般的である。すなわちストレスとは『さまざまな外的刺激(ストレッサー)によって生じる生体内の歪み(ストレス反応)の状態』をさしているといえよう」

と説明されています。

上のように見てくると、どうやらストレスには

①不均衡を引き起こす原因である「ストレッサー」

②結果としての生体内の歪みである「ストレス反応」

③俗に言う「精神的緊張」

という意味が混在しているようです。

だいたい、普段は③の「精神的緊張」という意味で使われているように思うのですが、少なくとも現代で増えているものとしては、「ストレス反応」であるような気もします。

ストレッサーや精神的緊張の量を昔と比較することは難しいように思われますが、私が生きている数十年の経過の中でも確かにストレス反応を引きおこす類の悪性のストレスが増えているという実感があります(ここらへんの感じ方は個人差があると思うので、違っていたらすみません)。

さらに「ストレス反応」まで視野に入れた時には、「ストレッサー」の受け手の条件まで考慮に入れる必要があると思われます。

現代社会を「ストレス社会」と呼ぶのは、このような「ストレッサー」の性質や受け手の条件まで含めて考えたときの、過剰な「ストレス反応」社会のことを指しているような気がしました。

閲覧数:42回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page