子どもへの接し方について全く悩まない人も少ないような気もしますが、ほとんどの親は自分以外の要因(子どもが悪い、学校が悪いetc)を探す傾向があります。
どうしてもここでも自分の要因を探せるだけの「主体性」が問題となってしまいます。実はその点が最大の難関であると思うのですが、この本ではその点に関してもお母さんへの語りかけが優しく、ゆっくりと責めずに対応の仕方に目を向けるよう促されているような印象を受けます。
印象に残った部分を抜粋すると
「子育てをするとき、私たち親が目指すべきは子どもの未来です。今の子どもがどうであるか以上に、子どもが成長した姿を目指して子育てしなければなりません。今、親がやっていることの延長線上に、本当の子どもの幸せがあるかどうかを、一度立ち止まって考える必要があります」※下線はこちらで追加
どうしても、この点が難しいように感じます。今現在「良くできる」ことを求めてしまい、過剰な介入をした結果、子どもの主体性が犠牲になるということがしばしば起るような気がします。無理もないことであるようにも思うのですが、なんとかもっと子ども自身の幸せに焦点を合わせられないかとも感じるのです。
その他にも
「ヘルプは『できない』人のために、その人にかわってやってあげること。保護者がするのはヘルプです。一方サポートは、人を『できる』存在ととらえて、そばで見守り、よりよくなるために必要なときには手を貸すこと。サポートこそが、まさに親の仕事なのです」
ヘルプは支配につながり、サポートは主体性の尊重を基礎にするということや、このヘルプ⇒サポートへの移行で養育者がつまづくことについてもふれられています。
実際、親子の関係に限らず援助に当たる時、ヘルプとサポートの違いは常に意識していないとサポートのつもりが、いつのまにかヘルプになってしまっていることが多いと思います。
その他にも傾聴の技術について要点をおさえて具体的に書かれており、非常に参考になります。
親子間のコーチングというテーマに興味のある方や、自分の子どもへの接し方に疑問があり、それを変えたいと思っている方にオススメの本です。