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ディスレクシア入門ー「読み書きのLD」の子どもたちを支援する 加藤醇子著


学習障害(LD)についても、発達障害の一部として認知がすすんできたように感じます。

しかし、自閉症スペクトラム(障害)と比べるとまだ情報が少なく、内容に関する理解が浸透していない印象もあります。

この本の編集方針に関して述べた部分を抜粋させてください。

「本書では、そのような困難さをもつ子どもを早く見つけて、その困難さのメカニズムを知り、対応方法を考えるために、多職種の専門家の知恵を集めました。ディスレクシアの子どもの具体的な姿、そして支援の実際を伝えるために、たくさんの症例・事例も本書には掲載しています……(中略)……教育関係者はもちろんのこと、医師、臨床心理士、言語聴覚士などの専門家、そしてディスレクシアの子どもをもつ保護者の共通言語として、この入門書を活用していただけるよう願っています。」

入門書としてはかなり詳細な情報まで含まれており、通読するにはかなりの気合いが必要だと思います。

分担執筆で、各章の内容が独立しています。私にとっては、症例について詳しくふれられていた「14章の青年期の課題ー就労も含めて」が非常に参考になりました。そのように、特に自分の興味のある章を中心に読み込む使い方でも十分役立つと思われます。

読み書きのLDに関わる人たちの「共通言語」をつくるために、網羅的に編成されており、それがやや全体的把握の敷居を上げている印象もあります。しかし、本書の意図を考えると、これだけの情報量が必要だとも思います。

巻末には「基本専門用語集」までついており、用語に関する知識の再確認ができます。

読み書きのLDに関してしっかり学びたいという方にはおすすめの本です。

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