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ボツリヌス菌毒素注射はうつ病に効くか?


ボツリヌス菌が産出する毒素は筋弛緩・鎮痛などの作用があり、眼瞼痙攣や斜頸などの筋緊張を伴う病態に対して医学的応用がなされてきました。

今回は、少し前から出始めていた額へのボツリヌス菌毒素注射によるうつ病治療について、複数の研究を評価する論文が出ていたのでご紹介します。

額へのボツリヌス菌毒素注射によるうつ病治療:その批判的検討

ボツリヌス毒素注射の効果を検討するため、臨床的研究が6つ選ばれ、その内容が検討されています。

全体として、ボツリヌス菌毒素の注射はうつ病に高い確率で効果の期待できる治療とされていましたが、研究の中には研究デザインとして瑕疵があったり、研究の対象が少なすぎたり、性別により偏りを修正できていなかったりして、結果を慎重にとらえる必要があるとされていました。

しかし、将来的により信頼性の高い研究や厳しい批判的検討を経て、スタンダードな治療として日本にも導入される可能性もあり、今後が期待される治療法であると言えます。

うつ病の中には薬物治療が十分な効果を発揮せず、患者さんが長期にわたって苦しまれる場合があります。

まだ慎重な検討が必要な段階とはいえ、大きな機材等が必要でなく、費用の負担も大きくなさそうな、新しい治療の選択肢についてのニュースは、今後のうつ病治療に希望を与える可能性があると感じました。

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