以前からPTSDに対する通常の心理療法や薬物療法の効果が限定的であることが指摘されて来ました。
過去にもアミタール面接という、鎮静をかけた上での心理療法が行われていた時期があったということですが、最近は実施されているという話をあまり聞きません。
今回、MDMA(「エクスタシー」として有名なドラッグ)を追加した心理療法のPTSDに対する効果を調査した論文があったのでご紹介します。
MDMAを使用したPTSDに対する心理療法
28名の参加者をMDMAの40㎎、100㎎、125㎎用量別にグループ分けし、薬剤の服用+心理療法の長期的な効果をみました。
結果的には、MDMAの用量が多いほど症状は軽減しており(サンプルサイズも小さく、有意差はなし)、全体として12か月後のフォローでは、75%の参加者がPTSDの診断を満たさない状態にまで改善していました。
上記のような結果が出たからといって、PTSDに対する心理療法にはMDMAを追加すべきであるという話にはならないとは思いますが、研究結果から、難治性の場合の一つの治療選択肢となる可能性はあると考えられます。