次の切り札と期待されていた統合失調症治療薬について


薬剤の効果が限定的で、妄想や幻覚、異常行動等の症状があまり改善しない統合失調症のことを「治療抵抗性」であると表現します。

この治療抵抗性の統合失調症では大きな認知・遂行能力の低下を伴い、日常生活への適応が大きく障害されます。ご家族の負担も大きく、長期入院にいたることも少なくありません。

薬剤が効きにくい統合失調に対する治療薬としてクロザピンが知られていますが、生命にかかわる副作用である無顆粒球症を発症することがあるため、一部の施設で定期的な血液検査などの密な観察の元でしか使用できない状況にあります。

今回、クロザピン以外の治療抵抗性の統合失調症に対する治療薬として登場するはずだった薬剤の有効性が否定されてしまいました。(Lundbeck updates on clinical phase III study for Lu AF35700 in Treatment-Resistant Schizophrenia

AF35700というのが開発途中だった薬剤の名称で、1日1回投与で非常に安全性の高い薬剤で他の薬剤の効かない統合失調症で苦しむ患者さんにとって、福音となるはずでした。

しかし、DAYBREAK(夜明け)と名付けられたこの薬剤の有効性・副作用を調査する研究で、通常の治療(リスパダール4~6mg/日やジプレキサ15~20mg/日)との比較で有効性を示すことができませんでした。

その高い安全性からどの医療機関でも使用可能な治療抵抗性統合失調症の治療薬と目されていただけに残念ですが、薬剤会社の責任者のコメントにもある通り、今後もこの領域での薬剤開発はすすめられるはずなので期待して待ちたいと思います。

#統合失調症

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