昨日は視力と認知能力との関係についての論文を紹介いたしました。
本日は、同様にとりあげられることの多い聴覚についての研究をご紹介します。
耳が聞こえなくなってきた場合、ご本人以上にご家族が記憶などの衰えを実感することが多いようです。
高齢のアメリカ人における聴覚補助と認知機能の時間的変化
およそ2000人の対象者について長期に渡って聴覚的な補助を使う前と後の認知能力の変化が調べられました。
結果として、何らかの聴覚補助を用いることにより、加齢による記憶の衰えを示すカーブが、緩やかになる方向に大きく変化することが分かりました。
視覚の場合もそうでしたが、経験通り聴覚の衰えは認知能力と大きく関係しており、補助を行うことによって認知の改善を行えると言えそうです。
特に論文の中でも述べられていましたが、認知能力低下のカーブが緩徐になることの良い影響は早期に対策をとるほど、大きな差となって現れるので、視聴覚の衰えを感じたときは我慢せずに、早めの補助を行うほうが良さそうです。