うつの症状に食事が関連しているということは以前から言われていて、大規模な研究も行われて来ました。
今回ご紹介する本は、最初にうつが関連している栄養素について、知識が分かりやすくまとめてあり、とても分かりやすくできています。
この本の冒頭でも触れられていますが、同じような症状で受診し、治療の内容も同じなのに、ある人は改善して、ある人は改善しにくい場合があるのを確かに経験します。
著者はその原因を食事に求めて、その改善に取り組まれています。
特に「うつとの関連が科学的に証明されている栄養素たち」として
①EPA、DHAなどの不飽和脂肪酸
②必須アミノ酸の一つであるトリプトファン
③葉酸を中心としたビタミンB群
が挙げられており、これらの栄養素をどのように摂取したら良いか、方法や工夫が具体的に書かれています。
負担が少ないように、ジュースやスープから摂取する方法も書かれていたり、現実的な工夫が随所に見られます。
数多くあげられているどの献立も美味しそうで、栄養素のことを考えなくても食べてみたくなるものが多いです。
献立もバリエーションに富んでおり、読んでいて楽しいのですが、特に冒頭からの説明に含まれている食事のリズムに関する記述など、「どのように摂取するか」にこだわった解説が多く、参考になりました。