国内で認知症に罹患される方が増えていることは以前から指摘されています。
しかし、世界的に見てこの現象がどの程度なのか、予想される影響なども合わせて正確に理解する資料は乏しいと思われます。
今回、長期的な視野で世界的な趨勢を調査した研究があったのでご紹介します。
アルツハイマー型認知症・その他の認知症の世界的、地域的、国別の負担
195か国の1990年から2016年にわたるデータが調査されました。
結果として、まず目をひくのが、絶対的患者数の大きな増加です。26年間で世界的には認知症の患者は2倍以上に膨れ上がっていました。
年齢で補正した一定人口当たりの罹患率は1.7%のわずかな増加にとどまっています。よって、増加の大部分は人口全体の高齢化によると思われます。
しかし、各国での診断基準の適応や死亡原因の統計などに大きな差異があることが指摘されており、この調査の数値をこのまま鵜呑みにするのも危険かもしれません。
いずれにせよ、認知症の治療が世界的に見ても急を要する課題であることは間違いなく、高齢者が身体面だけでなく認知的に健康でいられる方法が強く求められていると感じました。