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うつ病やPTSDは女性の認知症リスクを高める


それぞれの精神疾患の危険因子(ある病気に罹る可能性を上昇させる要因)については多くの指摘がなされていますが、複数の精神疾患がどのように影響し合っているのかは不明な点が多く残されています。

今回は、対象が退役軍人の女性とかなり特殊ですが、うつ病やPTSD、頭部外傷がその後の認知症発症にどのような影響を与えるのか調べた論文を紹介します。

退役女性における軍隊関連の危険因子と認知症の発症リスク

55歳以上の退役女性10万人以上が追跡調査されました。調査の開始時点でうつ病やPTSD、頭部外傷の経験があった場合に、その後認知症の発症率がどのように違うのか結果を求めました。

平均4年の経過観察で、そのような要因がなかった時に比べて、うつ病では1.7倍、PTSDでは1.8倍、頭部外傷では1.5倍の割合で認知症にかかりやすいことが分かりました。

特にこれらの危険因子が重複していた場合(例:うつ病+頭部外傷)はさらに認知症にかかりやすくなっており、危険率が2倍以上に上昇することが示されました。

具体的に精神疾患による脳への影響がどのようなものであるのかは不明ですが、これらの要因が共通して認知症の発症を促すような脳への負担となる可能性が示唆されました。

認知症の予防を検討するときに、認知症のみの予防を考えるのではなく、広く精神的な健康を保つ必要があるということを感じました。

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