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もりさわメンタルクリニック

遺伝的要因で統合失調症の治療効果が予測できる


精神疾患に関連する様々な遺伝子が指摘されていますが、なかなか「この遺伝子がこの病気の原因です」という明らかで大きな要因は発見されません。

例えば、統合失調症では「あるタイプの統合失調症はこの代謝を障害する遺伝子で発症する危険性が高まる」と疾患のうちごく一部を説明したり、「この遺伝子とあの遺伝子が両方通常とは異なった情報になると発症する可能性が高まる」と複数の遺伝子で説明されることが多かったりします。

特に後者のような複数の遺伝要因が一つの病気(形質)に関係している様式をpolygenic inheritance 「多遺伝子の遺伝」という言い方をしますが、今回説明させて頂くのは、統合失調症の治療効果を予測する遺伝的要素を数値化したスコア(polygenic risk scores :PRSs)についてです。

統合失調症多遺伝子スコアを初回エピソードの薬剤有効性を予測するのに使用した

500人以上の初回発症の統合失調症患者について調査が行われました。治療開始の時点と治療開始から3か月後の症状の変化が記録され、多遺伝子スコア(以下、PRSと表記)との関連性が検討されました。

その結果、PRSにおける一定の値を境界すると、かなり正確に治療の有効性が予測できることが分かりました。特にPRSが低い患者の場合、スコアの高い患者に比較しておよそ2倍の確立で治療が奏功していました。

このような研究は、治療の予測を行うための道具として治療方針に影響を与えたり、統合失調症の原因をより正しく理解するために役立つ可能性があると思われました。

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