少なくとも現時点では健康被害が軽度であると考えられているところから、大麻の医療的使用や合法化が議論されています。
アメリカの一部の州ではすでに合法化されていますが、高い税金がかけられているため、販売額は予想されたほどの伸びを示していないようです。
今回は、1回やごく少数回の使用でも、大麻の使用は脳の構造に影響を与えるかもしれないという内容の研究をご紹介します。
非常に少ない回数の大麻使用と脳灰白質の体積変化
IMAGENというヨーロッパ共同体が出資する研究に登録されている2400名の中から、大麻の使用が1回または2回の参加者が抽出されました。
46名の選び出された参加者で大麻の使用以外の条件を合わせながら、対照(大麻の使用以外は条件がほぼ同じである比較の相手)との脳構造の違いが詳しく調べられました。
結果として、大麻中に含まれる物質の受容体(効果を発揮するための受け皿のような部分)が数多く存在する側頭葉を中心に体積の増大が確認されました。
論文中で行われている議論によれば、この部位の増大は概念理解の同時処理能力や将来の不安障害の発症に関連する可能性があると言います。
これらのことだけで「大麻の使用は1回だけでも危険」と結論付けることは不可能ですが、今後さらに合法化をすすめるか議論する中で、脳への影響について研究をさらに進める等、慎重な態度が必要があると思われました。