鼻腔スプレーで治療抵抗性のうつを治療する


2剤以上の抗うつ薬を適切な量や期間使用しても症状の改善が認められないとき、「治療抵抗性」のうつ病という言い方をすることがあります。

実際、うつ病治療において薬の効果をなかなか感じることができない場合もあり、様々な選択肢を検討しながら、「治療抵抗性」という言葉が頭をよぎることがあります。

しかし、誤解しないでいただきたいのは、この言葉は、決して治療が全く効かないという意味ではなく、通常第一選択、第二選択とされる初期の薬物選択が効きにくかったというだけなので、工夫を重ねた結果、合う処方が見つかることがほとんどです。ただ、その際に何度も問診と相談を重ね、じっくりと薬を合わせる必要があり、どうしてもつらい期間が長くなってしまう傾向があります。

今回、アメリカで薬剤や食品の認可を行っている役所であるFDAが画期的なうつ病治療薬である「エスケタミン」の鼻腔スプレーを認可しました。

認可を行う委員会のメンバーは認可の理由として以下のような内容を挙げています。

①エスケタミンの鼻腔スプレー剤が、現在選択可能などの治療法よりも、高い確率で「治療抵抗性うつ」に効果を認めること。

②現在の抗うつ薬に比較して、今回検討された鼻腔スプレーが、非常に短期間で効果を発揮する薬剤で、患者にとっての有益性が、副作用による不利益を上回ると考えられたこと。

つまり、今回の鼻腔スプレーは治療抵抗性のうつに対する「効き」と「早さ」において、他の薬より勝っていると言うことができます。

しかし、使用において、対象が「治療抵抗性」のうつに限られていたり、使用後2時間の経過観察が可能な環境で使用するなど、様々な条件があるようです。

通常、抗うつ薬の効果が出現するまでの期間については2~6週間が必要と言われており、つらい症状の中そのような長期的な観察をできないことがしばしば起こります。

そのような薬物療法の選択肢の中で、今回の速効性のスプレー薬は特に希死念慮の激しい、急場の対処が必要なうつ病に対して大きな期待が寄せられています。

#うつ病 #薬物療法

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