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鼻腔スプレーで治療抵抗性のうつを治療する


2剤以上の抗うつ薬を適切な量や期間使用しても症状の改善が認められないとき、「治療抵抗性」のうつ病という言い方をすることがあります。

実際、うつ病治療において薬の効果をなかなか感じることができない場合もあり、様々な選択肢を検討しながら、「治療抵抗性」という言葉が頭をよぎることがあります。

しかし、誤解しないでいただきたいのは、この言葉は、決して治療が全く効かないという意味ではなく、通常第一選択、第二選択とされる初期の薬物選択が効きにくかったというだけなので、工夫を重ねた結果、合う処方が見つかることがほとんどです。ただ、その際に何度も問診と相談を重ね、じっくりと薬を合わせる必要があり、どうしてもつらい期間が長くなってしまう傾向があります。

今回、アメリカで薬剤や食品の認可を行っている役所であるFDAが画期的なうつ病治療薬である「エスケタミン」の鼻腔スプレーを認可しました。

認可を行う委員会のメンバーは認可の理由として以下のような内容を挙げています。

①エスケタミンの鼻腔スプレー剤が、現在選択可能などの治療法よりも、高い確率で「治療抵抗性うつ」に効果を認める