身体醜形障害に対する心理療法について

身体醜形障害(しんたいしゅうけいしょうがい)という精神疾患についてお聞きになったことがあるでしょうか? 日本では長年「醜形恐怖(しゅうけいきょうふ)」と呼ばれてきたので、そちらのほうが広く認知されているかもしれません。
自分の顔や体の形状・美醜に異常にこだわり、日常生活が大きな影響を受ける疾患で、そのために対人関係が破たんしたり、学校や仕事などの社会参加、著しい場合には外出も困難になることがあります。
強迫性障害の関連障害と位置付けられていますが、疾患特異的な治療法に乏しく、この症状に焦点をあてた研究は少ないのが現状です。
今回ご紹介するのは、この疾患に対する心理療法として認知行動療法と支持的精神療法のどちらがより有効かを調べた研究です。
身体醜形障害の成人に対する認知行動療法と支持的心理療法の有効性と治療後の影響
2011年から2016年の間に2つの病院(アメリカのマサチューセッツ総合病院とロードアイランドホスピタル)で集められた120名の身体醜形障害(Body Dysmorphic Disorder: 以下BDD)の患者が調査の対象となりました。