脳にとって最も良い食事とは?
- もりさわメンタルクリニック
- 2019年3月15日
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循環器領域や糖尿病治療の観点をはじめ、様々な視点から強調点の異なる食事内容がすすめられるので、混乱してしまうことも多いように思われます。
最近、特にすすめられるものとして地中海式食事法がありますが、今回は主な3つの食事法を認知機能の観点から比較した論文をご紹介します。
青年期の食事パターンと中年期の認知能力の関連
男女ほぼ半数ずつ、スタート時点での平均年齢がおよそ25歳の2621人が調査の対象となりました。各人の食事パターンを調査し、その25年後、30年後の認知機能経過を調べました。
食事法の傾向としてすすめられる以下の代表的パターンについて検討しました。
①地中海式食事法
⇒全粒穀物、果物、野菜、不飽和脂肪、木の実、豆類、魚類の摂取がすすめられ、赤肉、アヒルやガチョウなどの家禽類、高脂肪食を制限する。
②ア・プリオリ食事得点:A Priori Diet Quality Scoreに基づく食事
⇒果物、野菜、豆類、低脂肪食、魚類、少量のアルコール摂取がすすめられ、揚げ物、③塩気の多いスナック、お菓子、高脂肪食、糖分を含むジュースを制限する。
DASH:Dietary Approaches to Stop Hypertension(高血圧予防食)
⇒穀類、野菜、果物、低脂肪食、豆類、木の実の摂取がすすめられ、肉、魚、家禽類、高脂肪食(特に飽和脂肪酸を含むもの)、菓子類、塩分の摂取を制限する。
上記の3種類はいずれも様々な健康面からすすめられている食事法ですが、特に①と②は通常の食事に比較し、認知機能に良い影響があることが示されました。しかし、③においては認知機能低下を抑制する効果はないという結果になりました。
どれも同じような内容に見えてしまうのですが、それぞれの強調点は異なるようです。それから、①と②では、少量のアルコール摂取がすすめられるのに対して③のDASHでは制限されています。
どのような食事の組み合わせのパターンが決定的な要因になっているかまでは不明ですが、認知機能を優先するならば、今のところ地中海式食事法に類似のパターンを守っていくのが良さそうです。
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