自分でできるこだわり頭のほぐし方 ドーン・ヒューブナー:著
- もりさわメンタルクリニック
- 2019年4月14日
- 読了時間: 2分

子ども向けに書かれた強迫性障害改善のためのワークブックです。
言い回しやイラスト等は「子ども向け」ではありますが、大人にも勧めたい内容です。
「大人向け」にみられる硬い言い回しやすぐにはつかみにくい抽象的な表現を使っている部分がないので、より理解しやすく、具体的に把握しやすくなっています。
ただ、翻訳なので、どうしても日本語として不自然な部分や文化的に違和感のある例が出てくる箇所があります。しかし、そのような違和感は本書の価値を下げるものにはなっていないので、できれば大目に見て頂き、有益な部分を吸収して頂けたらと思います。
カバーの裏に書かれた部分を抜粋させてください。
「OCD(強迫性障害)って、いったいなに?
どうして起こるの?
たたかうためには、どうすればいいの?
頭の中にはふり分け機があって、いらない考えをすてることができるんだ。でも、ときどき、それがこんがらがってしまい、いらない考えで頭がいっぱいになってしまうことがあるんだ。
もし、きみがいらない考えにはまり込んでしまっているなら、この本を読んでみて!
だいじょうぶ!
きみにもできるよ。」
冒頭でOCD(強迫性障害)を分かりやすく説明しています。そこで、ふり分け機が上手く働かず、捨てるものと捨てないものとの区別ができなくなり、ゴミも大切なものも何もかもがいっぱい溜まった部屋で男の子がはまりこんでいるイラストが描かれています。
私たちの頭の中はOCDでなくても、容易にそんな部屋のようになってしまうのではないでしょうか? 特にOCDの時には、そのふり分けを意識して調子を取り戻す必要がありそうです。
このふり分けを上手にできるための道具(ワーク)として以下のような道具が提示されています。
道具 その1:「ミッケ!」ゲーム⇒OCDの考えやOCDの衝動をみつけるのを上手になるためのゲーム
道具 その2:言い返そう⇒言うことを聞かせようとするOCDに「イヤだ!」と言い返そう。
道具 その3:OCDのボスはきみだ⇒きみがボスだとOCDに思い知らせる方法①後回しにする ②はなれる ③制限する ④やり方を変える ⑤OCDに逆らう ⑥OCDをからかう
それぞれのやり方(道具)についてイメージが持ちやすいようにイラストがたくさん描かれています。
いままで反応妨害などの行動療法がとっつきにくく、避けていた方やこれから薬以外の方法でOCDを改善したいと考えている方に、OCDから自由になるきっかけとしてすすめられる本です。