「問題解決」の考え方を若者が成長していく物語に沿って説明している本です。
本書でインディペンデント・マインド=自立した精神 という言葉が出てきます。これについて「まえがき」では以下のように説明しています。
「本書では幅広い視野、教養、経験に基づいて築き上げられた自立した考えと価値観のことを『インディペンデント・マインド(Independent Mind: IDPM)』という言葉に託し、IDPMとは何かを描写するだけではなく、そこにたどり着く道のりを描くことを試みた。」
それから、個人的な印象になりますが、装丁やイラストがかわいく、手に取って全体をパラパラとめくられると「どんな内容なんだろう」とわくわくするような感覚がありました。
具体的にはそれぞれの章は「物語+コラム」の構成で成っており、以下のような内容となっています。
第一章:日常生活における個人の問題解決 「評価軸×評価シート」
第二章:意思決定の基礎 「ピラミッド・ストラクチャー」
第三章:集団の問題解決
まずは物語が面白く、引き込まれているうちに問題解決の基礎に触れることができます。悪役も登場しますが、基本的にはキャラクターに良い人たちが多く、読後感は爽やかです。
読み終わった後に、「自分も勉強しなければ」という向上心というか、物を考える人はこんなとこまで考えるのか……という焦りのようなものが生じますが、それが不快ではありません。それはきっとこの本から、知識を披露する雰囲気ではなく、問題解決の知識を有効に使って各自の希望を叶えて欲しいという気持ちが伝わってくるからだと思います。そういう意味で、何となく読者への愛情を感じる本です。