
自らを隠れ「オカマ」と呼ぶ、日常的には実は敏腕の営業係長なのではないかと思われる“オッサン”がSNSや電子書籍上で悩みの相談に答えた相談集です。
全体を通読して感じるのは、とても「常識的」で、「真っ当」な回答が多いということです。
もちろん、私自身の「常識」や「真っ当さ」に関する感覚が、途方もなくズレている可能性があるので、これは一人のオッサンの印象吐露でしかありません。
でも、組織に関する以下のような記述、……
「ところで、そもそもあなたの会社は報連相をしやすい環境なのかしら? どんな些細なミスも許さない厳しすぎる上司は、部下からの報告が少なくなって、致命的なミスが発生するまでありのままの現状を把握できなくなるの。」
……世間知の少ない私などは、“真っ当だなあ”と深く頷いてしまいます。
他にも、「イエス」の代わりに「ブス」、「ノー」の代わりに「ブース」と返してくるほど性根が捻じ曲がっている、と文中で紹介されている「オカマ」の友人が、“何が幸せなのか?”という疑問について投げかけてきたセリフ、……
「今日のお昼ごはん、おいしかったでしょ? 待ち合わせの場所に無事集まれたでしょ? だったらそれが幸せよ」
……私の心が渇いていたせいなのか、妙に心に沁みてしまいました。
そして、色々な場面で「心を開いて、自分はこういう人間だと示すこと」の大切さが説かれているように感じます。……が、全くの誤解だったら、すいません。
最後に表紙裏に書かれたセリフを抜粋させてください。
いいこと?
初めに言っておくけど、
なんでもオカマに頼るのは
「終わりの始まり」よ。……