top of page

マンガ 脱・「不登校」 加藤善一郎:著


副題には「起立性調節障害(OD)克服と『だいじょうぶ感』をはぐくむ」とあります。

「不登校」に取り組んでいる小児科の臨床医が書かれた本で、前半は起立性調節障害(OD)についての診察場面を中心に進んでいます。

脱・「不登校」とタイトルにありますが、決して「不登校」という選択を全面的に否定しているわけではなく、著者紹介のところにかかれているように「『登校しないこと』そのものは、必ずしも悪いことばかりではありませんし、そう決断したことで初めて得られるもの」もあり得るという姿勢で書かれています。

起立性調節障害(OD)というのは、本文中の説明を借りると「特に、寝ている状態や座っている状態から、立ったときなどに、脳への血流がうまく維持されないことから、頭痛などをはじめとした多くの症状が出る」病気で、「自律神経系の異常に原因がある」と考えられています。

午後以降には元気になって、ゲームや他の活動に熱中したりするため、「さぼり」や「怠け」ではないかと誤解を受けやすく、長期に渡って本人の困っていることが理解されないことで知られています。

起立性調節障害が不登校の原因のすべてというわけではなく、本書では他に注意欠陥多動障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、ネットやゲームとの