認知行動療法については聞いたことがある方も多いと思います。
現在、時々“第3世代認知行動療法”という名称が用いられることがあって、それが何か若干の説明をさせてください。
非常に大まかに示すと以下のようになります。
第1世代:いわゆる“行動療法”。暴露や随伴性の操作が代表的。
第2世代:いわゆる“認知行動療法”。認知再構成が代表的。
第3世代:マインドフルネスやACT(Acceptance and Commitment Therapy)等が代表的。認知の内容よりも機能やプロセスが重視される。
以前に、マインドフルネスについては少し説明させていただきました。(『「今、ここ」に意識を集中する練習』 ジャン・チョーズン・ベイズ著)
もう一つ代表的な「第3世代」とされているものに上記のACT(Acceptance and Commitment Therapy)があります。
これは、今までの主なセラピーが不快な気分の改善を目指してきたのに対して、少なくともそれを除去することではなく「気づくこと」、「受容すること」を重視しています。
主眼は様々な精神病理のもととなる「嫌悪刺激による体験回避」の生じさせず、行動を活性化することにあると思われます。
そして、主には「Accept your reactions and be present 自分の反応を受け入れ、現在にとどまる」、「Choose a valued direction 価値をおく方針を選択する」、「Take action 行動する」といった方針がとられます。
第~世代などというと、つい新しいものが古いものを淘汰するようなニュアンスを感じてしまうかもしれませんが、注目する点はことなるものの、それぞれに良い点があり、相補的あるいは、(後の世代の療法は)他を基礎としている部分が大きいように思います。
明日は、第3世代の認知行動療法が期待されている領域である物質依存への有効性をしらべた研究をご紹介したいと思います。
#第3世代認知行動療法