ネット・SNS・ネトゲ・アルコール・糖質(炭水化物)・買い物・ギャンブル・ブラック企業・恋愛・親……この本のテーマは「脱・プチ依存」です。
「依存症」というほどではない、「やめたいけど、やめられない」状況を「プチ・依存」と名付けて、気づきを促しています。
「プチ依存」から脱した人たちから話をきいて、「こうしてやめられた」という話をマンガで描いています。
中には「プチ」と言えない「買い物依存で500万の借金」、「アルコール依存を責められ家出、放浪の末警察に保護」等の場合も描かれていますが、絵がかわいいので、きついテーマも心に重すぎないように感じます。
「依存症」とまでいかないとは思うけど、「やめたいけど、やめられないこと」がある……基本的にはそういう方を読者に想定している本だと思います。
でも、「やめたいけど、やめられない」こと……そういうことが本当に全くない人っているでしょうか? この本はとても多くの人に向かって書かれているような気がします。
この本の中で登場する「依存の沼」を脱した人に共通することは、やめられない自分に「自分で気づくこと」であると感じます。
「自分で気づく」……当たり前のように聞こえるかもしれませんが、このことが一番難しいように感じます。
問題解決に沿っていうならば、
①状況の把握
②原因の特定
③打ち手の決定
④実行
のうち、①のところで、いかに状況や他者のみではなく、自分で変えられる部分があることに「自分で気づく」か、ここが重要であるように思います。
多分、ここの過程をいくら他者から言われても責められているように感じ、本当の状況の把握にはならないでしょう。依存の対象である、「コレを続けること」が、本当に求めているものでないことに、痛いほど「自分で」気づくことが大切です。
この本には、このような「気づき」の過程が、様々な依存対象を例として丁寧に描かれており、非常に参考になると思われました。