統合失調症における神経回路と脳体積減少部位の対応

様々な精神疾患で脳体積が減少することが示されていますが、脳体積の減少(脳萎縮)が起こりやすい場所は疾患ごとに異なります。
特にアルツハイマー型認知症をはじめとする神経変性疾患では、萎縮の部位と脳機能の喪失とを結び付けて説明がなされます(例:脳の側頭葉内側の萎縮⇒記憶障害)。
しかし、多くの精神疾患において、ある疾患に関連して認められる脳体積減少という所見が、実際に特定の神経回路に沿って起こっているのか、それがどのような機能障害に結びついているのかを示すことは困難であることが少なくありません。
今回は、統合失調症において認められる脳体積の減少が、神経回路にそって起こっているのか、多くの箇所について、統合失調症の病期を跨いで調べた研究をご紹介します。
Evidence for Network-Based Cortical Thickness Reductions in Schizophrenia
統合失調症における神経回路に基づく大脳皮質減少の証拠
70人の初発エピ