スマートフォン操作の偏頭痛治療機器
- もりさわメンタルクリニック
- 2019年6月26日
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少し以前の話になりますが、アメリカのFDA(食品や薬品の管理を行う機関)がスマートフォンでコントロールする片頭痛の治療機器を認可しました。
遠隔操作の電気神経治療器が急性の偏頭痛を和らげる
上腕に装着しスマートフォンによる遠隔操作によって、偏頭痛を和らげる電気パルスを発生すると言います。
この機器が認可された背景には上記にリンクを示した252人を対象とする試験の結果があります。ランダム化された二重盲検試験(試験する側も自分が実際の機器を使用しているのか知らない試験)で、月に2~8回偏頭痛を経験している方たちが対象となりました。
本物と電気パルスを発生していない偽刺激とを比較したところ、痛みの軽減については66.7% vs 38.8%、痛みの軽快(freedom from pain)については37.4% vs 18.4%でした。
いずれも偽の刺激に比較して大きく効果を上げており、副作用も少なかったことから認可に至ったようです。
偏頭痛については、ひどい場合には痛みが始まると何もできなくなってしまうこともあり、生活の質に大きな影響を与えることも認められます。
薬が効きにくい場合も多く、今回のような効果の大きい選択肢ができることは、偏頭痛に悩む患者さんにとって大きな助けになると思われました。