日本では対人恐怖症という言葉のほうが有名かもしれませんが、社会的場面での過度の緊張を背景として日常生活に支障を来す病気を「社交不安障害」と呼びます。(日本でいう「対人恐怖症」と「社交不安障害」は異なる病気であるという意見もあります)
クリニックでも社交不安障害で受診される方は多く、社交場面での認知についてお伺いしながら、必要と思われる場合にはSSRIなどの抗うつ薬、抗不安薬などを使用し、改善を図ります。
今回は、少し以前の論文になりますが、社交不安障害と関連する習慣や傾向について調べた研究です。
発酵食品、神経症傾向と社交不安障害
青年期の710人が調査の対象となりました。自記入式で発酵食品摂取や運動の習慣や神経症傾向(ネガティブなことへの高い感情反応性などを示す傾向)などについて調べられました。
結果として運動習慣や発酵食品の摂取頻度が高いほど、神経症傾向が強いほど、社交不安障害のリスクが高いことが分かりました。
特に神経症傾向が強くても、発酵食品の摂取が頻繁であるとリスクが低下することも示されました。
発酵食品はプロバイオティクス(腸内有益菌)との関連ですすめられることが増えています。
腸内細菌叢とうつ病等の精神疾患との関連が示されていますが、腸内環境への配慮は社交不安障害でも有用であるようです。