副題には「2週間で、つらい気持ちを穏やかで喜びに満ちたものに変化させる心のトレーニング」とあります。
2週間のプログラムの中で、自分や他者へのコンパッション(共感)を送る方法をトレーニングします。
適応は「つらい気持ち」で、限定的な疾患名はあげられていません。
どのセッションを行うことが最適かは、フローチャートをたどることによって分かるようにできており、自分の今の状態に最適なトレーニングを選ぶことができます。
セッションのタイトルを挙げると以下のようになっています。
実践1 セルフ・コンパッション・ボディスキャン
実践2 セルフ・アクセプタンス
実践3 苦しさを抱きしめる
実践4 過去の傷を癒す
実践5 さらに深く掘る
実践6 コンパッションがむずかしいとき
実践7 自然なコンパッション
実践8 喜びを育む
これらの実践のなかで行われるコンパッション(共感)を送るときのセリフには「あなたがしあわせでありますように……」などがあり、かなり気恥ずかしい感じがあります。
私は自分へ自分自身をいたわるセリフを送るということに違和感があり、なかなか内容に入り込めずにいました。
しかし、読み進めるうちに丁寧にコンパッションの送り方が豊富な事例とともに書いてあり、自分を元気にする方法としてあり得るような気になってきました。
この本の特徴として、上記に挙げたような多彩な実践があり、私のように抵抗があり、なかなかトレーニングに入り込めない状態にある人でも、それなりに実行可能な内容(あるいはできなくても妥協点のようなもの)が示されています。
マインドフルネスと多くの共通点があり、自己を受容することによる回復に興味のある方にとっては、実践的で得るところの多い本であると思われました。