
統合失調症では様々な刺激に対する反応が通常とは異なっているとされています。
以前から、刺激に対する反応を捉えて客観的な診断のための指標にしようとする試みが行われてきました。
今回は、通常は強い感情反応を起こさない刺激に対する統合失調症の脳(辺縁系)の反応を調べた研究について説明させてください。
統合失調症における中立的な刺激への辺縁系の過活動
複数の研究の結果を統合してより信頼性の高い結果を導こうとする研究(メタ・アナリシス)で23の研究が分析の対象となりました。
最近の研究を統合した結果、通常は強い情動的反応を引き起こさないような刺激に対して、統合失調の脳(辺縁系:特に左右の扁桃体、海馬傍回、左側被蓋野、海馬、島と呼ばれる部位)は大きな情動的反応を起こしていました。
今までは画像検査の特性や刺激の設定等の問題で、なかなか独自の反応がとらえにくい面がありましたが、これからはより客観性の高い診断に結びつくような統合失調症独自の指標が画像的に得られる可能性が高くなるように思われました。