ソーシャルメディアの使用は、精神疾患発症の危険因子となり得ることが指摘されていますが、使用時間や発症しやすい精神疾患の傾向等に関してはあまり分かっていません。
今回は、若者におけるソーシャルメディアの使用時間と精神疾患発症との関連を調べた研究について説明させてください。
ソーシャルメディアに費やす時間とアメリカの若年者における内在化・外在化問題
6595人(12~15歳)のアメリカの若年者が調査の対象となりました。
ソーシャルメディアの使用時間を、0、30分以下、30分~3時間以下、3時間~6時間以下、6時間~に分けて、精神疾患発症との関連性を調べました。
また、精神疾患については
①内在化問題:不安や恐怖、抑うつ、引きこもり等、自己の内面に問題を含むもの
②外在化問題:攻撃、非行、衝動、多動など自己の外部との間に軋轢を生じるもの
に大きく分けて調べられました。
結果として、特にソーシャルメディアを3時間を超えて使用していた場合に、うつや不安等の内在化問題が1.60~1.78倍増加していました。
論文中では全く使用しない場合と30分程度の使用でもリスクに差を認めており、3時間までなら全く問題がないというわけではないかもしれませんが、一応、比較的大きなリスクを生じ易い目安として考えても良いと思われました。