子育て中、様々なメディアとの関わりをどのように考えたら良いのか迷う場合は多いと思います。
中でもお子さんとスマートフォン、タブレット、モニター等を含むスクリーン電子機器との関わりをどのように制限するかで苦心される場合をよく耳にします。
また、一緒に読書を行う、絵本の読み聞かせを行う場合に、最近はタブレットの電子ブック、触ると絵が動いたり様々な工夫を取り入れた電子メディアがあり、実際の本(絵本)とどちらが望ましいのかという選択肢も生じています。
今回は、タブレット vs 印刷の本で、どのように親子の関わりが異なるのかを調べた研究をご紹介します。
37組の発達に問題のない幼児と母親の組(幼児は平均29.2か月、母親は33.5歳)が調査の対象となりました。
読書中のビデオを撮り、行動が分類・記録されました。分類として注目された行動のなかには、子どもが親の関わりを制限するような姿勢、自分だけで読書をしようと本をコントロールする行動、親を押しのけたりなどの親を邪魔にする行為等が含まれます。
結果としてタブレットのメディア(シンプルに読書するものと、さまざまな仕掛けがあるものを含む)の方が、単独で読書する傾向が強くなり、印刷の本に比較して親と社会的な相互性(やり取りや共有)が減少していました。
上記の結果で、すぐにタブレットのメディアは望ましくないということにはならないと思われますが、一緒に絵本を読んだりすることを、親子の共通体験や相互交流の機会として重視したい場合は、印刷の本がより目的に叶っていると考えられました。