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もりさわメンタルクリニック

トキソプラズマ感染と双極性障害の関連


すべての原因というわけではありませんが、寄生生物であるトキソプラズマ感染症と双極性障害との関連が指摘されることがあります。

今回は、メキシコ発で、自国においてもトキソプラズマ感染と双極性障害との間に関連性が認められるのかを調べた研究をご紹介します。

トキソプラズマ感染と双極性障害の関連に関する血清による既感染率の調査

双極性障害(ICDコードのF31)の診断をされている66人と対象のグループとして診断のない396人が調査の対象となりました。

各人から血清が採取され、トキソプラズマに感染したことがあるかが分かるデータ(トキソプラズマに関するIgG抗体)が調べられました。

双極性障害の66人のうち6人(9.1%)、診断のない396人のうち22人(5.6%)がトキソプラズマに関する抗体をもっており、感染したことがあると考えられました。

この結果を、性別や年齢で調整したところ、統計的に明らかな差は認められず、実際にトキソプラズマ感染と双極性障害との関連があるのかは分かりませんでした。

双極性障害のうち「F31.3 双極性感情障害,現在軽症又は中等症のうつ病エピソード」にだけ絞ると、差異が認められるという状態像による違いはあるようです。

多くの精神疾患について、感染症との関連が調べられていますが、双極性障害とトキソプラズマとの関連については、どの国でも、どのタイプの双極性障害でも、大きな差をもって示される確かなものではないと考えられました。

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