ADHDの子を持つ漫画家のかなしろにゃんこ。さんの、取材に基づく漫画です。今まで2冊の本を紹介しましたが、この方の本は読んだ後に、柔らかい印象が残るので、みなさんにも読んでもらいたくなります。
「本当に、どうなっちゃうんだろう?……」
題名が発達障害の子をもつ親が抱える心配を良く表しているように思います。また、親だけではなく、当事者が自分について同じような不安をもったとき、この本は社会との関わりについて、ヒントを与えてくれるように思います。
この本に描いてあるような支援策が合う方場合ばかりではないかもしれませんが、「こういう方法もあるのか」「どうしようもないと思っていたけど、もう少しやりようがあるのかも」……そのように参考になる内容が多く含まれています。
内容について、具体的にふれると
・高校選びとライフプラン
・高校での支援
・大学の取り組み
・「就職の極意」と就労支援
・特例子会社について
・ADHDの人の仕事体験
・当事者グループ(ワークショップ)について
「発達障害と仕事」というテーマだけではなく、いかに社会(やその中で生活する人)と関わり、ルールを守りながら自分のしたいことをなるべく実現していくのか……そういう営みを支えるしくみについて、さまざまな試みが丁寧に描かれています。
発達障害の特性をもつ人の将来を考える時、様々な「やり方」について参考になるだけではなく、仕事や人と関わることの難しさや楽しさについて考えさせられる本です。