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不安関連障害に対する認知行動療法の長期的効果

もりさわメンタルクリニック

精神疾患には、症状として不安を中心とするものが多く存在します。全般性不安障害、社交不安障害、パニック障害、強迫性障害、PTSDなどが代表的な例で、様々な対象の違いがありますが、心理的には不安を基調としています。

不安に対しては認知行動療法が有効であることは示されていますが、長期的な効果については、やや証拠に乏しい現状があります。

今回は、不安に関連した精神疾患に関して、認知行動療法の比較的長期の効果を調べた分析(メタアナリシス:複数の研究を集めて、より信頼性の高い結果を得ようとする研究)をご紹介します。

不安関連障害に対する認知行動療法の長期的効果

4118人の参加者を含む69のランダム化臨床試験が分析に含まれました。

結果として以下のような内容が示されました。

①12ヶ月までの認知行動療法の効果は、全般性不安障害、社交不安障害、パニック障害、強迫性障害、PTSD、特定の恐怖症に関して、支持的心理療法を含む比較対照としての方法より優れていました。

②12ヶ月以上の効果については、全般性不安障害、社交不安障害、PTSDに関しては明らかに優れていましたが、その他の不安関連障害に関してはリスクの計算が難しいか、結果の差が明らかではありませんでした。

つまり、全体としては認知行動療法は長期的効果に関しても優れているが、12ヶ月以上の結果となるとやや資料に乏しい現状が再確認されました。

不安や抑うつを伴う精神疾患は再燃・再発をいかにコントロールし、長期的に良い結果を得るかが非常に重要なので、今後はさらに長期の証拠が得られることが望ましいと思われました。

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