以前に統合失調症の患者さんは、乳がんとの合併が通常の人口よりも多く、遺伝的背景を共有している可能性があることをお伝えしました。
今回は、もう少し別の観点から、統合失調症と乳がんの関連についてご説明させてください。
統合失調症の女性における乳がん初期検診
メタアナリシスと言われる複数を文献を統合して分析する研究で、統合失調症の女性25,447人を対象者として含む11の研究が分析の基準に合致しました。
統合失調症の女性がマンモグラフィー(乳房のX線撮影で乳がんの初期検診の一つ)を受ける割合は、健常者の人口における場合を1とすると、0.50でした。
つまり、統合失調症の女性は通常の半分しか乳がん検診を受診しないということになります。
以前のブログの内容と合わせると、ただでさえ遺伝的背景として共有の部分がある疾患で、さらに発見が遅れるとなると、非常に大きな影響が予想されます。
自分の今までの経験を振り返っても、発見されたときにはすでに終末期だった例も複数あり、訴えや所見について非常に慎重に対処する必要があると考えられました。