パーキンソン病の治療に非常に有効な方法として手術によって電極を埋め込む脳深部刺激療法(DBS)が知られています。
しかし、今回この治療法に意外な副作用が現れることがあると分かりました。
脳深部刺激療法の後は深い水に注意
今回、報告されているのはパーキンソン病に対して視床下核という領域の脳深部刺激療法(DBS)を受けた9人で、手術後に泳ぐ能力を喪失しました。
上記の人たちは、いずれも元々非常に水泳の巧みな方たちで、他の運動機能が改善していただけに、水泳の能力も向上していることが期待されていました。
報告されているうちの一例では、元々水泳には自信があり、運動機能も改善していたので湖に飛び込んだところ、溺れそうになり助けられたとのことです。
水泳には地上での運動とは異なる非常に多くの協調運動が必要なためであるという説明もありますが、現在のところ詳細な理由は不明となっています。
パーキン病は神経内科的疾病の中では比較的多い病気ですが、その中で今回の報告は特殊な例の副作用と言えるかもしれません。
しかし、人間の運動機能(特に協調運動)に関する詳細を知る上では大切な所見であると考えられました。