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統合失調症の長期的な認知機能の変化


統合失調症を主とする精神病性の疾患について、認知機能が長い間でどのように変化するか、はっきりしていません。

今回は、最初の入院の数十年後まで、どのように認知機能が変化するか健常者と比較して調べた研究をご紹介します。

精神病性の障害に罹患し最初の入院を経験した場合と健常者を含む705人が調査の対象となりました。

認知機能の6つの領域(言語的知識、言語的記憶、視覚的記憶、注意と処理速度、抽象的遂行機能、言語的流暢性)について、最初の入院から2年後、20年後について機能の変化を調べました。

結果、上記のうち2つの領域を除く大部分で健常者よりも早く認知機能の低下が出現することが分かりました。

症状に関していうと、陰性症状(統合失調症の症状のうち、無為自閉や意欲低下等の活動性低下に結びつく症状)が悪化すると、より大きく認知機能が低下している傾向がありました。

上記の結果をみると、精神病性の疾患で入院した場合、退院後の短期的な精神症状の安定化のみではなく、活動性を向上させる等の長期的に認知機能低下を防ぐ方針が必要であると思われました。

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