ADHDの子どもに対する中枢刺激薬の投与は、授業中の行動などを改善し、学習過程を促進する上で一定の効果があると考えられてきました。
今回は、中枢刺激薬投与による教科学習(理科・社会・語彙)への効果を調べた研究をご紹介します。
ADHDの子どもの教科学習に対する中枢刺激薬の効果
ADHDの診断を受けている7~12歳の子ども173人(77%が男子)が対象となりました。
サマースクールの環境設定のもと、中枢刺激薬を服用するグループとそうでないグループが3週間で交差するクロスオーバーの研究計画で、中枢刺激薬の学習に対する効果を調べています。
結果として、中枢刺激薬は授業中の行動や授業中の作業効率を向上させていましたが、実際の学習(指示した内容の習得)を比較したところでは、投与の有無で差が明らかではありませんでした。
つまり、“ADHDに対する中枢刺激薬は、授業中の行動を表面上改善できても、学習内容の定着自体は大きく改善しないかもしれない”と言えそうです。
これで、中枢刺激薬が学習に対して無効という結論にはならないと思われますが、本人の特性に合わせた学習指導の工夫など、非薬物的なアプローチを検討する方針が望ましいと考えられました。
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