肥満と認知症に関しては、関連が明らかであるという意見とそうでない場合もあり、一貫していません。
今回は、BMI(体格指数:体重をメートル単位の身長で2回割った値で、22が標準とされる)と認知症発症との関連を調べた研究をご紹介します。
中年~後年のBMIと認知症の危険性:フラミンガム研究38年の経過観察
3,632人の参加者の経過を追い、2017年までに190人の認知症発症を認めました。
BMI全体の経過と各年代におけるBMIについて、認知症リスクとの関連を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
①BMIの全体的な推移と認知症リスクとの関連は明らかではありませんでした。
②40~49歳のBMI増加は認知症リスクとの関連を示していました。
③70歳以降ではBMI増加があると、認知症リスクは低下していました。
つまり、“肥満の認知症に対する影響は各年代で異なり、中年期の肥満は悪影響があり、高齢の肥満はむしろリスク低下と関連するかもしれない”ということです。
全体として、肥満がどの年代でも認知症リスクの増加に関係しているというわけではなさそうです。
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