PTSDで発現の低下が認められる遺伝子について


PTSDについては、他の不安を主訴とする疾患との類似性が指摘され、しばしば不安障害のグループと同様にセロトニンの作用を増加させる治療がなされます。


今回は、PTSDでは、他の疾患とは異なる仕組みが存在するかも知れない可能性について考えさせられる研究をご紹介します。


Transcriptomic organization of the human brain in post-traumatic stress disorder

PTSDにおける脳内トランスクリプトームの様態


PTSDに罹患した人の脳組織(前頭前皮質)で、実際に生かされている(発現している)遺伝子とそうでない遺伝子を調べました。


人間の遺伝子情報全体を参照しながら分析を行い、ELFN1という遺伝子の発現が通常よりも低下していることを突き止めました。


これは、神経伝達物質であるGABAを放出する抑制性神経の調節を行っている遺伝子と思われ、この発現が低下していることでストレスに対する反応が通常とは異なっている可能性が指摘されました。


この遺伝子発現の傾向は他の不安を主な症状とする疾患とは異なっており、通常行われているSSRI等のセロトニンの機能増大を図る治療が疾患の特性に合っているのか、疑問を呈する内容でした。



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