PTSDでは高血圧等、心血管系の疾患が増えることが指摘されてきました。
今回は、遺伝子を広く調べてPTSDと心臓血管疾患に共通の要素があるか確かめようとした研究をご紹介します。
Leveraging Large-Scale Genetics of PTSD and Cardiovascular Disease to Demonstrate Robust Shared Risk and Improve Risk Prediction Accuracy
PTSDと心臓血管疾患についての遺伝的分析で共通の遺伝的リスクを証明し、予測の正確さを改善する
遺伝子情報を含んだ大規模な生体データを用いた研究で、36,412人を対象としています。
疾患登録データを用いてPTSDと心臓血管疾患に共通の遺伝的要因があるか調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・PTSDと心臓血管疾患には共通の遺伝的特徴がありました 。
・メンデルランダム化という手法を用いた因果関係の推測では、PTSDが原因で高血圧が起こり得ることが示されました。
・影響の仕方を分析する手法では、神経接続の構造や生理活性物質の一つであるインターロイキン-7の関与が考えられました。
要約:『PTSDの影響で心臓血管疾患が生じる以外に、PTSDと心臓血管疾患は共通の遺伝的特徴を持っている』
精神疾患と身体疾患には、他にも共有の遺伝的特徴を持っているものがあり、発症のしくみを理解する上で有用である可能性が考えられました。
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