◎要約:『PTSDと2型糖尿病を合併する場合に、PTSDの診断基準を満たさなくなると、糖尿病の経過も良くなるかもしれない』

今回は、PTSDと糖尿病の経過との関連を調べた研究をご紹介します。
退役軍人における心的外傷後ストレス症と2型糖尿病の経過
Posttraumatic Stress Disorder and Type 2 Diabetes Outcomes in Veterans
アメリカの退役軍人に関する医療記録 US Veterans Health Administration (VHA) historical medical records を元にして、PTSDと2型糖尿病を合併する18~80歳の10,002人(50歳より高齢が65.3%、男性が87.2%)が対象となりました。
PTSDの診断(症状経過)と糖尿病に合併する血管疾患やインスリン両方の開始等の関連について調べています。
結果として、以下の内容が示されました。
・PTSDの診断基準を満たさなくなった場合と、血管疾患のリスク減少とが関連していました(ハザード比0.92倍)。
・18~49歳においては、PTSDの診断基準を満たさなくなった場合と、インスリン開始(0.69倍)、あるいは全体の死亡リスク減少(0.39倍)とが関連していました。
明確な因果関係ではありませんが、PTSDと糖尿尿病の改善とが関連していることを伺わせる内容でした。
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