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◎要約:『認知処理療法を通常の治療に追加すると、追加しない場合と比較して、より多くの症状軽減が得られる可能性がある』

今回は、PTSD等の治療のために開発された認知処理療法(Cognitive Processing Therapy)の有効性について調べた研究をご紹介します。
Cognitive Processing Therapy for Posttraumatic Stress Disorder in Japan
A Randomized Clinical Trial
日本におけるPTSDの認知処理療法
認知処理療法(Cognitive Processing Therapy; CPT)について、「認知行動療法センター」のウェブサイトからの抜粋をさせてください。
「CPTとは、非常に深刻な出来事の後に、こころの傷を受けることによって生じるトラウマの症状、そしてそれに伴って生じてくる抑うつ状態や強い罪悪感に対して効果的な心理療法です。毎週、12回の個人セッション(50分)か、集団セッション(90分)で実施します。
これまで、性暴力被害者、子どもの頃からの虐待、戦争体験などによる心的外傷後ストレス障害(PTSD)を対象に、その有効性が報告されてきました。その有効性は、米国、オーストラリア、ドイツ、コンゴなど、世界の多くの地域で確認されています。CPTはアメリカのリーシック博士、マンソン博士、チャード博士という、3人の女性の臨床心理学者によって開発されました。」
今回ご紹介するのは日本における研究で、PTSD患者60人(平均36.9人、54人が女性)が対象となりました。
およそ半数ずつを、通常治療にCPTを追加したグループと追加しないグループ(ウェイティングリスト)に分けて、16週間のセッションによる結果を比較しています。
結果として、今回採用されたPTSDの指標(80点満点):the Clinician-Administered PTSD Scale (CAPS-5)においてCPTグループのほうが大きな症状軽減(うつ症状、希死念慮、機能障害臨床的全体評価)を認め、治療からの脱落率が低くなっていました(例として、うつ症状のでは、CPTを行った場合のほうが行わない場合と比較して平均8.83点多くの軽減を認めていました)。
現在は実施可能な施設がごく限られていますが、今後の普及が期待される精神療法であると思われました。
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