◎要約:『鍼治療はPTSD治療に有効で、特に驚愕反応の軽減に効果が大きい可能性がある』
PTSDではフラッシュバックと呼ばれる侵入的な想起(再体験症状)の他、ささいな刺激に対しても大きな驚きが生じる驚愕反応の亢進等、多彩な症状が認められます。
今回は、PTSDに対して鍼治療を行い、偽刺激との違いを調べた研究をご紹介します。
Acupuncture for Combat-Related Posttraumatic Stress Disorder
A Randomized Clinical Trial
戦闘関連のPTSDに対する鍼治療
戦闘関連のPTSD症状がある85人(平均39.2歳、8人が女性)が対象となりました。
治療は1回1時間、週に2回、合計24回行われ、鍼治療と偽刺激との違いを調べています。
結果として、以下の内容が示されました。
・PTSD症状の改善は鍼治療で大きくなっていました(鍼治療: Cohen d, 1.17 vs 偽刺激: Cohen d, 0.67)
・特に、鍼治療で驚愕反応の減少が大きくなっていました。
鍼治療が、身体的な症状だけではなく、心理的な症状と考えられる範囲にも有効である点が興味深く感じられました。
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