◎要約:『PTSDの治療としてVR暴露を行う時に、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を加えると効果が大きくなるかもしれない』
PTSDに対して海外ではVR(仮想現実)モニタを用いた暴露療法が行われることがあります。
今回は、VR暴露に経頭蓋直流電気刺激(以下、tDCSと表記)を併用した場合の効果を調べた研究をご紹介します。
Virtual Reality and Transcranial Direct Current Stimulation for Posttraumatic Stress Disorder
A Randomized Clinical Trial
PTSDに対する仮想現実(VR)と経頭蓋直流電気刺激(tDCS)
戦場体験に関連したPTSDに罹患している退役軍人54人(平均45.7歳、94%男性)が対象となりました。
VRによる暴露療法に追加して、tDCSまたは偽刺激を行うグループに分けて、効果を比較しています。
結果として、以下の内容が示されました。
・1ヶ月の経過でtDCSを行ったグループのほうがPTSDの症状を示す尺度が明らかに低下していました。
・VR暴露に対する適応も、tDCSの方が進んでいました。
・生活の質については大きな差異はありませんでした。
暴露療法単独では効果が得られにくい場合の選択肢として、期待が持てる内容でした。
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