昨日は通常のうつ病に対する多施設での治療効果を確認した研究をご紹介しました。
今回は、物質関連障害(依存症)とうつ病を合併した場合の治療効果を調べた研究をご紹介します。
REPETITIVE TRANSCRANIAL MAGNETIC STIMULATION (RTMS) IS ASSOCIATED WITH INCREASED ABSTINENCE IN SUBSTANCE USE DISORDERS AND COMORBID DEPRESSION
物質関連障害とうつ病の合併に対するrTMS(反復経頭蓋磁気刺激療法)の効果
物質関連障害(依存症)とうつ病を合併した55人が研究の対象となりました。
物質に対する渇望の程度の尺度 Brief Substance Craving Scale (BSCS)と一般的な精神状態を測定する尺度 Clinical Global Impression-Severity (CGI-S)を用いて、rTMS(反復経頭蓋磁気刺激療法)の効果を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・治療開始時と実施後の状態を比較したところ、物質の渇望や精神状態において明らかな改善を認めました。
・治療の実施回数の多さは、物質を使用しない期間の長さを予測していました。
要約:『rTMS(反復経頭蓋磁気刺激療法)はうつ病を合併した物質障害に対して、うつ症状だけではなく物質障害も軽減する可能性がある』
付随する要因(交絡因子)を調整した後でも、物質を使用しない日(abstinence)を増加させたということなので、物質障害そのものに対する効果も期待される内容でした。
もりさわメンタルクリニック:https://www.morisawa-mental-clinic.com/
rTMS治療:
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