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入院中の禁煙指導について


統合失調症等の比較的重度の精神疾患で、強迫的な喫煙欲求を認めることがあります。


薬剤の効果減弱や循環器疾患の増加等のリスクを考えても、禁煙が望ましいのですが、なかなか取り組むことが困難です。


しかし、入院した際に禁煙をしてみる気持ちになってくださる方もいて、実際に入院中は禁煙できてきても退院して間もなく喫煙を再開してしまう場合が多いようです。


今回は、入院中の禁煙治療をいくつかの要素から構成し、今までのやり方と比較した研究をご紹介します。


精神疾患で入院中に行う持続的禁煙治療


精神疾患で入院している喫煙者353人(平均16.9本/日)が研究に参加しました。


新しい持続的禁煙治療は(1)入院中の動機を高めるカウンセリング (2)無料のニコチンパッチ (3)退院後の無料禁煙カウンセリング (4)退院後の自動音声による応答メッセージ からなる要素で構成されています。


新しい持続的禁煙治療と従来のやり方を比較して以下の内容が示されました。

①新しい持続的禁煙治療の方が6ヶ月後の禁煙率が高くなっていました。(8.9% vs 3.5%)

②新しい持続的禁煙治療の方が6ヶ月後の禁煙治療の利用率が高くなっていました。(74.6% vs 40.5%)


つまり、“持続させる工夫を含む入院中からの禁煙指導は通常のやり方よりも有効である”と言えそうです。


喫煙は苛立ちや落ち込みに対する自己治療的側面もあると思われます。しかし、全体で考えるとデメリットが大きく、入院の機会を捉えて禁煙をしたら、それを持続させるサポートが望ましいと考えられました。

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